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ガイド· 2026年9月1日 ·11 分で読めます

Mac のテキスト置換(ユーザ辞書)完全ガイド:設定方法・12 例・効かないアプリ一覧

Mac のテキスト置換の設定方法、そのまま使える 12 例、11 個のアプリで検証した効く/効かない一覧、そしてリストをバックアップする方法までまとめました。

Mac のテキスト置換(ユーザ辞書)完全ガイド:設定方法・12 例・効かないアプリ一覧

メールアドレス。会社の住所。インボイス番号。毎週送っているあの定例の会議 URL。

iPhone で打ち直すのも面倒ですが、Mac ではもっと面倒です。Mac のほうが打つ量がずっと多く、しかもたいてい 4 つのアプリを行き来しながら打っているからです。

macOS には昔から解決策が入っています。無料で、インストールも不要。テキスト置換(iPhone では「ユーザ辞書」と呼ばれている機能)です。短い文字列を登録しておけば、どこで打っても本文に置き換わります。

多くの解説は設定の場所を示して終わりますが、実際に人が詰まるのは別の 2 点です。なぜ特定のアプリだけ効かないのかと、登録したリストをどうやって取り出すのか。どちらにも答えがあります。

Mac のテキスト置換とは

ペアで登録します。

入力欄で .addr と打ってスペースを押せば、macOS が置き換えます。Apple が最初から 1 つ入れてくれているので、動きはそれで確認できます。omwOn my way!

イメージは文字のショートカットキーです。⌘C がコピーのショートカットなら、.addr は住所のショートカットです。

触る前に 1 つだけ知っておくと、あとで混乱しません。

Mac のリストと iPhone のリストは同じものです。同じ Apple ID の下で iCloud 経由で同期します。Mac で追加すれば iPhone にも iPad にも出てきますし、その逆も同じです。

これは注釈ではなく本題です。ここに使う 10 分が、持っている Apple 製品すべてで返ってくるということ。そして誤爆する登録はどこでも誤爆するということでもあるので、後半の命名ルールは見た目より重要です。

macOS での設定方法

macOS Ventura 以降

システム設定 → キーボード → テキスト入力「テキスト置換」 → 左下の 「+」

左右 2 列のウインドウが開きます。+ を押し、左の列に入力する文字列、Tab キーで右に移って中身、Return で確定。最後に Done(完了)を押します。

macOS Monterey 以前

システム環境設定 → キーボード →「ユーザ辞書」タブ

列も + ボタンも同じです。読んでいる解説がこの画面なら、それは 2022 年より前に書かれたもの。機能は変わっていませんが、場所は変わりました。

以下のスクリーンショットは英語環境のものです(Replace が入力する文字列、With が置き換わる内容)。日本語環境でも位置はまったく同じです。

macOS のシステム設定、キーボードの画面。テキスト入力セクションにあるテキスト置換のボタン
システム設定 → キーボード。ボタンは「テキスト入力」セクション、入力ソースの下にあります。
macOS のテキスト置換のウインドウ。左右 2 列のリストと、左下のプラスとマイナスのボタン
リスト本体。ただの平らな表と左下の「+」だけで、検索窓はどこにもありません。

まず 1 つ試す

10 個まとめて登録する前に、1 つだけ登録して動くことを確かめてください。テキストエディットかメモに登録した文字列を打ち、スペースキーを押します。

この最後の一手で詰まる人がいちばん多いです。置き換えが起きるのは語の区切りであって、最後の文字を打った瞬間ではありません。.addr と打って止まっても何も起きません。.addr のあとにスペース、句読点、Return を押して初めて置き換わります。

メモに 5 つの文字列を打ったところ。どれもスペースキーを押した瞬間に展開します。

誤爆しない文字列の付け方

失敗の仕方は 2 通りです。打っていないのに勝手に出るか、使いたいときに思い出せないか。どちらも登録時の名前で決まります。

自分で登録するものは全部同じ記号から始める。 . が使いやすく、,;; でも構いません。どれを選ぶかより、そろえることが大事です。

内容文字列
メールアドレス.mail
携帯番号.tel
会社の住所.addr
インボイス番号.inv
定例の会議 URL.mtg

理由は 3 つ。

  1. 誤爆しない。 記号なしの単語はいつか文中で展開します。.addr を偶然打つことはまずありません
  2. 思い出せる。 20 個は覚えられませんが、「自分のはドットで始まる」は覚えられます。あとは推測でだいたい当たります
  3. 見分けがつく。 リストが伸びたとき、どれが自分で登録したものか一目で分かります

あと 2 つ、10 秒で終わるもの。大文字と小文字は区別されます.Mail.mail は別物なので、全部小文字と決めてしまう)。それから中身ではなく意味で名前を付ける.smbc ではなく .bank。半年後に頭に浮かぶのは「振込」であって銀行名ではありません)。

この考え方のもっと詳しい版と iPhone 側の設定は、iPhone ユーザ辞書 完全ガイドにまとめてあります。

Mac で登録する価値のある 12 例

何が登録できるかを決める制限が 1 つあるので先に書きます。

「With」の欄は 1 行だけです。改行は入りません。

これは設定ではなく仕様です。メール署名、問い合わせ対応の定型文、段落のあるものは物理的に入りません。以下の 12 例はすべて 1 行・固定・変わらない内容で、そこがテキスト置換のいちばん強い守備範囲です。

#種類文字列
1個人のメールアドレスyourname@example.com.mail
2仕事のメールアドレスyou@company.co.jp.wmail
3携帯番号090-1234-5678.tel
4会社の住所東京都渋谷区神南 1-2-3 サンプルビル 5F.addr
5会社名株式会社サンプル.co
6インボイス番号T1234567890123.inv
7振込先サンプル銀行 渋谷支店 普通 1234567.bank
8定例の会議 URLhttps://meet.example.com/standup.mtg
9予約・フォームの URLhttps://example.com/form.form
10ポートフォリオや自己紹介 URLhttps://example.com/work.site
11英語表記の住所5F Sample Bldg, 1-2-3 Jinnan, Shibuya-ku, Tokyo 150-0041, Japan.enaddr
12自宅の Wi-Fi パスワードmywifipassword.wifi

使ってみて分かったこと。

Mac ならではの追加:キーボードにない記号

これは iPhone では起きません。絵文字キーボードがすぐ出せるからです。Mac で矢印や記号を打とうとすると、文字ビューアを開くか、誰も覚えていない組み合わせを思い出すことになります。

テキスト置換なら一度で片付きます。

記号文字列
.ar
.ko
.dc
.na
¯\_(ツ)_/¯.shrug

最後のは登録しておくと必ず使います。

入れてはいけないもの

テキスト置換は打ち込んだものを何でも保持します。そこが問題でもあります。ロックしていない Mac で 5 文字打たれれば、中身はそのまま出てきます。

振込先、会議 URL、住所は問題ありません。クレジットカードの完全な番号、ネットバンキングのパスワード、バックアップコードは入れないでください。 このリストにロックはなく、誰が見たかの記録も残りません。

特定のアプリで効かない理由と直し方

ここが検索される部分ですが、多くの記事は「すべてのアプリで使えるわけではありません」で終わります。実際には原因が 2 つあり、片方は 2 クリックで直ります。

原因 1:そのアプリ側でオフになっている(直せる)

多くの Mac アプリにはアプリごとのスイッチがあり、しかも簡単に外れます。

そのアプリを開いた状態で 編集メニュー → Substitutions(自動置換)→ Text Replacement(テキスト置換)

ここにチェックが入っていないと、システム設定で何を登録していてもそのアプリでは展開しません。チェックを戻せばすぐ直ります。メモでは効くのに特定のアプリだけ効かないなら、まずここを見てください。

同じメニューにスマート引用符とスマートダッシュもあります。コードや設定ファイルの中で "like this" が勝手に曲がった引用符になるのが気になるなら、切る場所もここです。

原因 2:そのアプリがシステムの入力欄を使っていない(直せない)

一部のアプリは、macOS が提供する入力欄を使わず、文字入力を自分でゼロから描いています。そういうアプリはあなたの登録を見ることがなく、変えられる設定もありません。アプリ側の設計の問題です。

ではどのアプリが該当するのか。推測を並べる代わりに、実際に試しました。

11 個のアプリで検証

macOS Sequoia 15.7、同じ登録内容を各アプリで手入力しています。

アプリテキスト置換
メモ○ 展開する
メール○ 展開する
メッセージ○ 展開する
Safari のアドレスバー○ 展開する
Google の検索窓(Chrome)○ 展開する
Notion(Chrome)○ 展開する
Google ドキュメント(Chrome)× 何も起きない
Figma のキャンバス文字(Chrome)× 何も起きない
VS Code× 何も起きない
ターミナル× 何も起きない
Discord× 何も起きない

結論を出す前に、真ん中の 4 つを見てください。Google の検索窓、Notion、Google ドキュメント、Figma は同じブラウザ・同じ作業・同じマシンで試しています。2 つは展開し、2 つはしません。

同じ Chrome で撮った 2 枚:Google の検索窓ではシステムの置換候補が出ているのに対し、Google ドキュメントでは同じ文字列がそのまま残っている
どちらも同じ Chrome、数分違いです。Google の検索窓は置換を受け取り、Google ドキュメントは打った文字列をそのまま残します。

つまり「ネイティブアプリなら効く、Web なら効かない」ではありません。もっと狭く、そして一度分かればどのアプリでも自分で予測できます。

アプリが本物のテキスト入力欄を使っていれば効きます。アプリが入力欄を自分で描いていれば効きません。

Google の検索窓と Notion はブラウザ本来の入力要素に打ち込んでいるので、macOS は文字が入るのを見て置き換えられます。Google ドキュメントと Figma は文字を自分でキャンバスに描いています。システムから見ればそこに入力欄はなく、入力欄に見える絵があるだけ。引っかける先がないので、置き換えようがありません。

残りの不可も同じ説明で片付きます。コードエディタとターミナルは意図的にキー入力を自分で処理します。シェルやエディタは、打った内容をシステムに書き換えられては困るからです。

メール:展開する
メッセージ:展開する
Safari のアドレスバー:展開する
Notion(Chrome):展開する
Google ドキュメント(Chrome):何も起きない
Figma のキャンバス(Chrome):何も起きない
VS Code:何も起きない
同じ文字列を各アプリで手入力したところ。下の 3 つは反応が遅いのではなく、本当に何も起きません。

「メールでは効くのにエディタでは効かない」が直せない不具合なのも、これが理由です。壊れているものはなく、救える設定もありません。アプリ内部の選択です。

ただし、そのアプリを諦める前に知っておく価値のある回避策があります。打ち込めなくても、貼り付けはできます。右列のアプリはどれも普通の貼り付けは問題なく受け取ります。展開が絶対に起きないツールに対する答えは、もっと良い文字列を考えることではなく、そのテキストを 1 クリックで取り出せる場所に置いておくことです。固定したメモでもいいですし、メニューバーのカードでも構いません。

どのアプリでも 10 秒で試せる方法

他人のリストを信じるより、自分が使うアプリを試すほうが早いです。

  1. 使い捨ての登録を 1 つ作る:ReplacezzqWithit works
  2. 気になるアプリを開き、入力欄をクリックして zzq と打ち、スペースを押す
  3. 展開すれば問題なし。何も起きなければ 編集 → Substitutions を先に確認。そのメニュー自体がなければ原因 2 です
  4. 終わったら zzq の登録を削除する

Mac にできて iPhone にできない 2 つのこと

1. リストをバックアップできる

これはどこにも書かれていませんが、よく聞かれる質問の答えです。登録した内容をどうやって取り出すのか。 書き出しボタンはありません。ただしデータは読める形で保存されていて、1 行でファイルに出せます。

ターミナルを開いて実行します。

defaults export -g - | plutil -extract NSUserDictionaryReplacementItems xml1 -o ~/Desktop/text-replacements.plist -

デスクトップに text-replacements.plist が作られ、すべての登録がプレーンな XML で 1 件ずつ書き出されます。テキストエディットで開けばそのまま読めます。

これは読み取りのみで、何も変更しません。機種変更の前、大掃除の前、あるいは年に一度でも実行しておけば、そのリストが 1 か所にしかない状態を避けられます。

正直に書いておく注意点が 2 つ。

もう少し内部の話をすると、macOS はこのリストを ~/Library/KeyboardServices/TextReplacements.db に保存しています。触らないでください。上のコマンドが同じデータを安全に読む方法です。

2. 整理がつらくない

iPhone では 1 件ずつスワイプして消すしかありません。50 件のリストがいつまでも 50 件のままなのはそのためです。

Mac では普通の表を相手にできます。行をクリックして を押すだけ。結局は 1 件ずつですが、マウスがあり、見えるリストがあります。それが「実際に整理する」と「一生しない」の差になります。

整理は Mac でやってください。 iPhone にも同期して戻ります。

うまくいかないときの対処

打っても出てこない

順番に確認します。

  1. そのあとにスペースか句読点を打ちましたか。 語の区切りが必要で、打って止めただけでは起きません
  2. 大文字と小文字は合っていますか。 区別されます
  3. そのアプリの 編集 → Substitutions → Text Replacement を確認
  4. 再起動。 投げやりに聞こえますが、入力まわりのプロセスはたまに固まります。再起動がいちばん速いです

iPhone で登録したものが Mac にない

メールでは効くのにブラウザで効かない

Safari の Web ページの入力欄はたいてい効きます。他のブラウザで動く Web アプリや、中身がブラウザのデスクトップアプリは効かないことが多いです。上の 10 秒テストで自分の道具を分類して、効かないほうと戦うのはやめましょう。

全部消してやり直したい

全選択はありません。1 行ずつ消します。記号をそろえるルールが効いてくるのはここで、少なくともどれが自分の登録か見分けられます。

標準機能の限界

ここまでは使いこなす話でした。ここからはできないことです。ヘビーユーザーはほぼ全員が同じ 4 つの壁に当たるので、先に見えていたほうが混乱しません。

文字列を覚えていないと使えません。 一覧から選ぶという動作がなく、書きかけで止めてリストを開くことはできません。思い出せなければ中身は出てきません。登録できる数に実用上の上限はありませんが、覚えられる数には上限があり、多くの人は十数個です。

分類できません。 100 件は 100 行の平らなリストです。フォルダもタグも検索もありません。「経費まわりだけ見せて」も、「休みだから仕事のは隠して」もできません。

複数行はそもそも入りません。 「やや不便」ではなく、入力できません。署名も定型文も、段落のあるものはすべて対象外です。

管理が地味につらいです。 検索がなく、並べ替えもできず、よく使うものを上に固定することもできず、どれを使っていてどれが放置されているかも分かりません。単体では大したことがなくても、合わさるとリストは伸びて散らかり、整理する気は起きなくなります。

テキスト置換は「覚えていること」を前提にしています。それが設計であり、限界です。

では別の道具に移るべきか

まず、何もインストールしなくていい場合から。こちらのほうが多数派です。

当てはまるなら、テキスト置換がすでに正解です。上の 12 例を登録してください。何かを入れるより効果があります。

別のものを検討する価値があるのは、こういう兆候が出てきたときです。

兆候意味
保存したいものに改行がある機能の物理的な限界を超えています
何を登録したか思い出せない超えたのはシステムではなく自分の記憶です
場面で分けたい(仕事 / 顧客 / 転職活動)分類はなく、今後も増えません
貼る前に一覧で見て選びたい欲しいのはリストであってショートカットではありません
同じ内容を Mac と iPhone で同じように整理したい管理画面が必要です

2 つ以上当てはまるなら、欲しいのは「もっと良いショートカット」ではなく、見えて、押せて、分類できるリストです。

それが CopyNow のやっていることです。よく使う文章をカードとして保存し、カテゴリで整理し、iCloud で同期して、開いた瞬間に見えて、1 クリックでコピーできます。Mac ではメニューバーに常駐するので、いま使っているアプリを離れずに必要なカードが取り出せます。Raycast や Paste のようなクリップボード履歴系との違いは、Mac のコピペツール比較で並べて比較しています。

CopyNow の Mac 版。メインウインドウはよく使う文章をカードで整理し、各カードにコピーボタンがある。フローティングパネルにはよく使うカードが並ぶ
カードはメニューバーにあるので、貼り付けのために今のアプリを離れる必要がありません。テキスト置換が効かないアプリでも同じです。

いちばん良いのは両方使うこと

正直な結論は「テキスト置換をやめよう」ではありません。2 つの道具は守備範囲が違い、分け方を見れば当たり前に思えるはずです。

標準のテキスト置換CopyNow
長さ短い 1 行長くても複数行でも可
十数個、覚えられる範囲何百枚でも探せる
呼び出し方文字列を打つ、最速リストを見てクリック
典型的な中身メール、電話、インボイス番号、会議 URL署名、定型文、提案文、トークスクリプト
支払うもの記憶力1 クリック

考えずに打てる十数個は文字列に任せて、改行が入るものは見える場所に置く。それだけです。


まずは上の 12 例を登録してください。10 分で、その日のうちに効果が分かります。そのあとバックアップのコマンドを一度実行して、作ったばかりのリストが 1 か所にしかない状態をなくしておきましょう。

保存したいものに段落が入りはじめたり、自分の登録を思い出せなくなったりしたときには、必要なものが何か分かっているはずです。CopyNow は Mac でも iPhone でも無料で始められます。

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